条約ついての語呂合わせ一覧(パリ条約、PCT国際出願の日の認定)
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目次
パリ条約についての語呂
パリ条約について
パリ条約は知的財産に関する国際条約です。法律は日本国内の決まりですがパリ条約は国際条約なので、加盟国(世界中)の中の決まりです。
パリ条約には特に大切な3つの決まりがあります。これがパリ条約の三大原則と言われるものです。
①内国民主義
②優先権制度
③特許独立の原則
内国民主義も特許独立の原則もたいへん重要なポイントになりますが、今日のテーマは優先権制度についてです。
パリ条約4条C
パリ条約4条は優先権制度を規定しています。
4条は4条A~4条I まで9のパートに分かれています。
そして本日のテーマである4条Cは、優先期間について規定しています。
4条Cは短答試験で頻出です。
パリ条約4条C
(1) A(1)に規定する優先期間は,特許及び実用新案については12箇月,意匠及び商標については6箇月とする。
(2) 優先期間は,最初の出願の日から開始する。出願の日は,期間に算入しない。
(3) 優先期間は,その末日が保護の請求される国において法定の休日又は所轄庁が出願を受理するために開いていない日に当たるときは,その日の後の最初の就業日まで延長される。
(4) (2)にいう最初の出願と同一の対象について同一の同盟国においてされた後の出願は,先の出願が,公衆の閲覧に付されないで,かつ,いかなる権利をも存続させないで,後の出願の日までに取り下げられ,放棄され又は拒絶の処分を受けたこと,及びその先の出願がまだ優先権の主張の基礎とされていないことを条件として,最初の出願とみなされ,その出願の日は,優先期間の初日とされる。この場合において,先の出願は,優先権の主張の基礎とすることができない。
引用元:パリ条約4条C
まず、(1)は優先期間について規定しているだけです。特許と実案は12か月、意匠商標は6か月です。これについてわからない部分はないと思います。
(2)は最初の出願日から優先期間が開始すると規定しており、これもわかるかと思います。
(3)は優先期間の末日が休日の場合についての規定です。
今回問題になるのが(4)です。(4)については始めて見た人はなんのことをいっているのかわからないと思います。
これは(2)で規定されているように原則、優先権期間は最初の出願の日から発生します。(つまり最初の出願をしたら急いで優先期間内に優先権を主張して他の同盟国にも出願しなくてはなりません。)
ただし例外として、最初の出願と同じ対象について同じ国にもう一度出願(後の出願)をした場合であって、一定の条件を満たしたら、最初の出願ではなくて後の出願から優先権期間が開始するということを規定しています。
パリ条約4条C の語呂
このパリ条約4条C(4)には有名な語呂があります。
どうどうえっけんさげききょゆう
どう 同一の対象
どう 同一の同盟国
えつ (先の出願が)公衆の閲覧に付されていない
けん (先の出願が)いかなる権利をも存続させない
さげ ((先の出願が)後の出願の日までに)取り下げられ
き または放棄され
きょ または拒絶の処分を受けたこと
ゆう 優先権の主張の基礎とされていない
どうどうえっけんさげききょゆう という言葉自体には意味はないのですが、リズムが良いので呪文のように唱えていればすぐに覚えられると思います。
PCTとPCT規則とは
PCTはPatent Cooperation Treatyの頭文字をとったものです。
Patent =特許,Cooperation =協力, Treaty =条約 なので日本語でいうと特許協力条約です。
条文は全部で69条まであります。
一方PCT規則とは、 特許協力条約規則のことです。
条文は第九十六規則まであります。(2021年12月現在)
96規則といっても、1つの規則のなかに 1.〇といった形で複数の条文が含まれていますのでかなりボリュームがあります。
改正はPCTに比べて頻繁に行われ、最新のものは2020年7月1日に発行されています。
弁理士試験の短答式試験の科目の1つに「条約」がありますが、PCT規則はこの条約の範囲で出題されます。
PCTとPCT規則 の対策
弁理士試験の短答試験で条約の問題は10問しか出題されません。10問中、パリ条約やハーグ協定などの問題も出るのでPCTとPCT規則の問題は、4~5問です。
直近の PCTとPCT規則の問題数は以下の通りです。
PCTとPCT規則 | ハーグ協定 | パリ条約 | TRIPS | |
令和3年 | 5 | 1 | 2 | 2 |
令和2年 | 5 | 1 | 2 | 2 |
令和1年 | 5 | 1 | 2 | 2 |
配点の半分がPCT、PCT規則なので条約の中では最もウェイトが高いことがわかります。よって 足きりを考慮するとPCT、PCT規則 を全く勉強しないのは得策ではありません。
ただし、上述した通りPCT規則は非常に規定の数が多いので完璧を目指してしまうと合格に近づくどころか遠ざかってしまいます。
私も受験生時代にそのさじ加減には非常に悩みました。どの程度勉強すればよいのかは下の記事にまとめましたので参考にしてください。
もう一つのPC規則の難しさとして、手続を規定しているものなのでロジックがあるわけではなく単調に暗記をしていくしか方法がないことです。過去問を解いて条文を繰り返し読み、どうしても覚えられない部分は語呂などを活用して覚えるのがよいでしょう。
PCT 第11条(1) 国際出願の日の認定の条件の語呂
受理官庁は国際出願が一定の要件でなされていると確認したら国際出願の日を認定してくれます。
その要件についての語呂合わせです。
しごいてしめせ
し (国際出願をする)資格を有すること(ⅰ)
ご (所定の)言語でなされていること(ⅱ)
い (国際出願をする)意思の表示があること(ⅲa)
て 締約国の指定があること(ⅲb)
し 氏名または名称の表示(ⅲc)
め 明細書と認められる部分があること(ⅲd)
せ 請求の範囲と認められる部分があること(ⅲe)
一文字ずつ各号に対応しています。紹介しておいてなんですが、この語呂合わせ。。。。
わたしは嫌いでした。なぜなら「し」が2つあるし。
「め」なんかも明細書ではなくて「名称」とか「締約国名」だと勘違いするリスクもあるからです。その辺はやはり条文を読み込んで頭に条文の中身を浸透させた上で、パッと思い出すときに使用するのが良いと思います。
PCT14条(1)a 国際出願の欠陥の語呂
国際出願の日が認定されても、欠陥があると受理官庁から補充が求められ、補充しない場合は取下げ擬制されてしまいます。(14条(1)b )
その要件の語呂合わせが次のものになります。
しょめいがんじんはつようよう
しょめい 署名 (ⅰ)
がんじん 出願人 (ⅱ)
はつ 発明の名称 (ⅲ)
よう 要約(ⅳ)
よう 様式上の要件(ⅴ)
これもまた混乱を招く可能性が高い語呂です。
まずしょめいで一区切りです。
「しょ」と「めい」で分けたらおしまいです。「がんじん」も同じです。
あとは二文字で1要件です。
要件は5つなのでそこから考えても良いと思います。
この2つは有名な語呂で、実際に使っているかどうかは別として受験生なら大抵知っているものになります。覚えておいて損はないと思います。
PCT規則48.3 国際公開の言語
平成22年度の短答試験には次のような問題が出題されたことがあります。
第4問 枝2国際出願は、アラビア語、英語、スペイン語、中国語、ドイツ語、日本語、韓国語、ポルトガル語、フランス語又はロシア語でされた場合には、国際出願がされた言語で国際公開を行う。
引用元: 平成22年度 弁理士試験短答式筆記試験問題
国際出願がされると、メジャーな言語でされた場合はその言語で国際公開が行われます。
そのメジャーな言語って何でしょうというのがこの問題の趣旨です。
ちなみにマイナーな言語で国際出願がされると、翻訳文を提出しその翻訳文の言語で国際公開されます。
国際公開の言語(メジャーな言語) についてはPCT規則に次のような規定があります。
48.3 言語
(a) 国際出願は、アラビア語、英語、スペイン語、中国語、ドイツ語、日本語、韓国語、ポルトガル語、フランス語又はロシア語(「国際公開の言語」)でされた場合には、国際出願がされた言語で国際公開を行う。
引用元:PCT48.3
正解は〇です。ただこんなにたくさん覚えられませんよね。
実際の試験でもこの問題を見て48.3の言語が全部含まれていることを確信して解答した人はわずかでしょう。
こんなときは語呂を使って覚えてしまいましょう!
ぽちにあふろかえすど
(ポチにアフロ返すど。)
と覚えましょう。順番にポルトガル語、中国語、日本語、アラビア語、フランス語、ロシア語、韓国語、英語、スペイン語、ドイツ語 となっています。
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