独学で論文試験に合格するために必要な書籍 

2022年1月29日

こんばんはきさらぎです。

独学で弁理士試験に合格したい
知財の勉強のためまずは勉強を独学で始めたい
お金をかけずに弁理士試験の勉強をしたい

このようにお考えの方は多いのでないでしょうか?
私は、独学で勉強を始めて短答合格の後に予備校に通い始めました。
論文の勉強は予備校から教わってやっていました。
そんな私が、独学経験者としての立場と予備校を受験した両方の視点で必要な書籍をご紹介します。

論文試験の独学合格に必要な書籍

論文試験についての独学用書籍をご紹介したいと思います。
その前にひとつ言っておかなくてはなりません。
論文試験の独学での突破はかなり難しいと思ってよいと思います。すごく論文を書くのが得意な人や、法学部出身の方を除いて答練やゼミに入ることをお勧めします。なぜなら論文試験は自分で文章を組み立てて解答を作るので、答えは1つではありません。もちろん模範解答はありますので、自分の答案と模範答案を見比べてどこが間違ったのかをチェックすることはできます。それでもこの作業は受験生には難しいと思います。答えも模範解答以外にいろいろ書き方がありますし、説が分かれている論点などでは結論が違う場合でもその説明次第では正解になる場合があります。つまり自分が間違った解答、説明をしていても気が付かないことが多いのです。答案をチェックするのが得意な人はずばり、予備校の講師です。予備校講師は何人もの合格者、不合格者を見ています。そしてこれらの人の答案をの違いをわかっています。こんな人は他にはいません。ですので予備校講師は、書かなくてはならない部分と書かなくても減点されない部分をよく知っています。説明の仕方についても間違いや矛盾があれば、容易に気づくでしょう。よく受験生がまちがえるところって共通していますから。ところで上記の話は論文試験のアウトプットの話です。
論文試験はインプットアウトプットの両方から勉強を進めていかなくてはなりません。インプットは一応独学が可能ですが予備校の論文講座を受講するのが一般的です。論文試験に出題された論点、出題が予想される論点を網羅しているテキストを手に入れて勉強しましょう。一番効率が良いと思います。前置きが長くなりましたが自分で購入するものとしては以下のものがいいかと思います。

条文集

答練や模試では、本試験と同様に条文集を参照できます。そのため答練などには自分の条文集を持っていきます。短答試験で慣れ親しんだ4法対照条文を使いたいでしょうが、本試験の貸与条文と違ったものを使用すると練習になりませんし、書き込みがあると本当の実力を測れません。そこで以下のものが良いかと思います。

サイズもコンパクトですし、本試験で貸与される条文集に含まれる法律のうち論文試験で問われる法律はすべて含まれています。もしくは、重くてもいいから本試験と限りなく同じ環境で勉強したいという方には本試験で貸与されると同じサイズで同じ法律が網羅されている以下のものも良いかと思います。
論文試験をすでに受けたことがある方は、貸与条文集が試験後にもらえるのでそれを使用すればよいでしょう。その後改正があったりした場合に買い替えれば十分です。

解答も詳しく記載されており非常に勉強になります。欲を言うとH14年~のすべての過去問を繰り返しやっておくべきだと思います。過去の解答は古本等で取りそろえると良いと思います。

青本

 特許法等の一部改正 産業財産権の解説

いわゆる改正本というやつです。

改正本とは、特許法などが改正されると出版される本で、従来の法律の問題点とどのような趣旨で改正がなされたのかを解説している本です。書籍としても売っていますが、特許庁のホームページにも公開されていますので、どうしても買いたくない人はWEBで見ても良いと思います。過去に改正された部分はほとんど青本に反映されていますので、青本がでた後のものをチェックすればよいと思います。現在最新の青本20版は平成29年3月にでていまして、その後改正がないので、運よく改正本を使用する必要がないことになります。しかし今後改正がなされて改正本がでた場合は、その部分は青本に記載されていないので改正本で勉強する必要があります。また、改正本の方が青本よりも詳しく説明されていますので理解を深めるために購入しても良いと思います。

レジュメ

前回説明したように、論文で問われる重要な論点は予備校の論文講座を受講して予備校のテキスト(レジュメに近いもの)を使用すると効率的です。しかしどうしても予備校の講座を受講したくない方はこちらがおすすめです。
弁理士試験 論文マニュアル (1) 特許法/実用新案法 第3版
弁理士試験 論文マニュアル (2) 意匠法/商標法 第3版
おすすめというか市販で買える本で法改正にある程度対応しているレジュメっぽい本がこれくらいしかないと思います。最新が2019年版なので古いし、改正に対応していないので予備校に通っている人が本書を使用する必要性は皆無です。
例えば、予備校には通わずに独学で短答の勉強をしているけどちょっと論文の勉強もしていきたいといった方には良いと思います。
私も序盤の独学時代に使っていました。1行問題に対して めちゃめちゃ長い解答が書いてあります。
このまま試験にでることはないと思いますが、この論点を聞かれたらこの説明をするのだなとか、この条文の説明をするだなというところが勉強になりました。

答案作成方法の本

 知識があっても法律答案の書き方がなっていないと説明が稚拙で得点につながらないこともあります。逆に大したことを書いてなくても論述の仕方が立派であればぎりぎりあし切りにならない場合もあります。
弁理士試験において法学部出身の受験生の合格が早いのもこういったテクニックを最初からもっているからかもしれません。
理系受験者は法律答案の書き方を勉強しておくことをお勧めします。
ただ弁理士試験の論文の書き方を解説してくれる書籍はありません。


上記の書籍は、司法試験用のものですが法律答案という点では共通しており、勉強になりました。
個人的には合格論文機械的作成法がとてもためになりました。ちょっと古い本なのですが論文を書く上で重要なポイントが格言のようにあげられており説明されています。
例えば、「結論に対しては、いちいち法律で根拠を示さなければならない。」
という記載があります。
この記載から根拠条文を挙げることの重要性が理解できましたし
最初に条文で対処できるかを考えて、対処できない場合に初めて論点を考えることについても納得しました。

まとめ

論文試験の独学合格に必要な書籍

 条文集

 論文試験の過去問

 青本(工業所有権逐条解説)

 レジュメ

 改正本

 論文の書き方の本