どこでも勉強できるようにしよう(文書の電子化や歩き勉)

2022年1月29日

社会人受験生たるものいつどこでも勉強できるようにしておくことが重要です。
出張に向かう新幹線や、昼休み、友人を待っている時間などかき集めれば時間は結構あります。
そこで本日はどこでも勉強できるように私が受験時代に工夫していた点をご紹介したいと思います。

歩きながら勉強する人

青本の分冊

弁理士試験では
・青本
・短答過去問
・論文の条文集
・四法対照条文  etc.
などたくさんの参考書、書籍を使用することになるかと思います。
青本だけでも商標の最後の条文(85条)までで1746ページあります。
重いし、かさばるのでとてもじゃないけど持ち歩くことはできないっす。
そこでおすすめなのが分冊です。青本の特許、実案、意匠、商標を4冊に分けてそれぞれを1冊の本にします。そして持ち歩くのは1冊ごとにすれば負担が減ります。そこまでしたくないと思うかもしれませんが、それほど面倒ではないですし、結構やっている人は多いです。

■分冊の流れ
本を購入→業者に持っていく→断裁→分ける→製本
1、本を購入
本屋でも通販でもいいので青本(工業所有権法(産業財産権法)逐条解説)を購入
例えばこちら


ポイントを加味すると楽天ブックスが一番おすすめ です。

2、業者に持っていく
業者はキンコーズが良いと思います。
安いし、いろいろできます。
店舗にいって、分冊したいと説明しましょう。

3、断裁
本の背を落とします(なんとなく罪悪感を味わいます(笑))。

4、分ける
本にしたいページにそれぞれ付箋を挟んでいきます。
できるだけコンパクトにするため、まえがきのような部分は取り除いて必要な部分だけをチョイスしましょう。

5、製本
製本には種類がありますが、私のおすすめはくるみ製本です。
安価ですし、丈夫な仕上がりになります。長い期間いろいろなところに持ち歩いて使用するので丈夫さは最も重要です。クルミ製本ならば乱暴に取り扱っても本がばらけることはないと思います。
この際に表紙を選びます。一番安い厚紙で十分だと思います。
パッと表紙を見ただけ法律がわかるように各法律ごとに色を変えましょう!
費用は、断裁が500円くらい、製本が1冊320円から500円くらいで合計で2000~2500円程度です。
私は青本だけでなく条文集や答練の問題も製本していました。部屋もきれいになるし、頭の中も整理できます。

文章の電子化

弁理士試験で使用する問題集やレジュメは電子化しておき、いつでも読めるようにしておくことをお勧めします。先日の記事で青本の分冊について書かせてもらいました。

弁理士試験では製本を利用しよう。 – 弁理士ってどこ?

本で読んだらいいのか、電子データで読んだらいいのかどっちなんだと思われるかもしれませんが、これは一長一短ですので最後までお読みください。

電子化したほうが便利な参考書

まず私の経験から電子化に適した(電子化しておくと勉強しやすい)文書のランキングを発表します。
1位 短答の過去問
 まず非常に私が役に立ったと思っているのが短答過去問の電子化です。
電子ファイルをタブレットに入れておき電車や喫茶店で勉強します。
短答の過去問集は1ページ目に問題、次のページに解答と解説という作りになっているので、タブレットで見るのに最適です。
1ページ目の問題を5枝解いて、スクロールして答え合わせ間違った問題のチェックと記録といった流れです。ゲーム感覚で勉強できます。
過去問は電子版を買うのではなく、書籍版を買ってください。

その後、断裁してスキャンです。この流れはこの記事の最後で説明しようと思います。

2位 論文レジュメ(論文過去問も含む)

 論文のレジュメは、同じページを見ている時間が長いのでお勧めです。予備校のレジュメで1行問題などが特にお勧めで、パッと問題を見たら目線をそらして頭の中で解答を唱えてその後モニターで答えを確認するといった流れです。論文過去問も有効です。
平成14年以降の問題と模範解答をすべて入れておきましょう。
いつでも答案構成できます。そのあとすぐに解答を確認して項目落ちをチェックできます。

3位 青本

おそらくすべての受験生が、直接的にあるいは間接的に学習に使用するのが青本だと思います。
青本については初心者のうちは書籍で読んだほうが良いでしょう。蛍光マーカーを引くこともできますし、メモの書き込みも楽です。ということで初心者の方は書籍版を買いましょう。

 初心者の域を脱してどこに何が書いてあるかが把握できたら電子ファイルの青本を辞書的に使用します。特に検索機能が使用できるのが便利です。
青本は本を買ってスキャンしなくても特許庁からPDFでダウンロードできますし、文字検索をすることができます。

電子化すべきでないもの

1位 法文集

実際の試験でも書籍として使用するので引き慣れおきましょう。
下にご紹介したものは、本試で貸与される条文集とサイズや厚み、内容、順番が同じレプリカですのでお勧めです。

2位 入門テキスト
内容が簡単なのでパラパラめくって勉強しましょう。

3位 著作、不正競争防止法、条約の参考書

本で読んで理解しましょう。なんどもの読んで暗記するようなものではありません。
基本的に、暗記すべきものの割合が少ない文書は電子化する必要がありません。

文書の電子化方法(自炊について)

文書を電子化するには本を買って電子ファイル(PDF)にしなくてはなりません。
これを巷では自炊なんて呼んでいます。私は読書家でも何でもないので本格的な「自炊」の方法ではなく、必要最低限費用時間で自炊する方法について説明します。
読書には不適かもしれませんが弁理士試験だけではなく、いろいろな資格試験に有効だと思います。
それでは私がやっていた自炊の方法をご紹介します。

1、まず本を購入します。

2、背表紙を定規とカッターで切り落とします。

 当然一回では3~4ページしかきれないので何度も何度もなぞって切ります。

 カッターではなくて本格的に裁断をしたい人は以下のような断裁機を購入しましょう。

3、下のスキャナーでスキャンします。

 重要なのはどのスキャナーでもいいわけではなくこのスキャナーでなくてはダメです。
なぜなら両面を同時に読み取ることができてスキャンが驚くほど楽だからです。
間違ってもフラットタイプを買わないでください。フラットタイプは断裁が不要ですが、1冊スキャンするのに半日くらいかかります。
この方法でやれば1時間もかかりません。
連続で50枚くらいスキャンできます。そしてスキャンした文書はPDFファイルになっています。何度かこれを繰り返してPDFとPDFをつなぎ合わせ1冊の本として管理しましょう。

4、PDFファイルはOneDriveなどのクラウドフォルダに保存してどこでもアクセスできるようにしましょう。

 PDFソフトは閲覧のみでなくメモの記入ができるものが良いです。特に短答の問題集では、枝ごとに正解したかどうかを記録しておく必要があるからです。

5、スキャンが終わったら、その本をキンコーズに持って行って、カッターで切った部分をきれいに断裁してもらった後に、製本してもらいましょう。

こうすることで再び本としても使用できます。

この方法ではスキャナーを買うのに初期費用が約4万円かかってしまうのがネックですが、スキャナーは一台あると大変便利です。
私は、給料明細などは1年に1度いっきに電子化して捨てています。
当然ですが電子化したファイルは個人的に使用するのみに留め、公開したり、譲渡したりしないようにしてください。

歩きながら勉強する

弁理士試験に限ったことではないのですが、仕事をしながら勉強をすることは容易なことではありません。どれだけ時間を有効に使ったかが合否に大きく影響します。電車の中では、座ることができれば本を開いて勉強することができます。しかし歩いている間に勉強することは、普通は無理です。私は受験生時代、この「歩いている間勉強できない問題(笑)」をなんとか解消できない考えました。最寄駅から家、駅から会社を歩いている時間は、毎日の行動ですので積み重なると膨大な時間になります。ではどうやって歩きながら勉強をするのか?それは、テキストデータを音声データに変換してスマホで聞くのです。テキストデータを音声にして聞くってことは、テキストを自分で音読して録音するってことだと思う方もいるかと思います。確かに音読して録音すれば、音声データを作成することができます。しかし自分の声を聴くのはちょっと気持ち悪いですし、録音する時間がちょっともったいないですよね。

そこでボイスロイドを使用しましょう!ボイスロイドとは、いわゆるテキスト読み上げソフトです。有名なものとして以下のソフトがあります。まず私が使用していたこれ

VOICEROID+ 東北ずん子 EX

めちゃめちゃ使えました。値段も安いですし購入して損はないと思います。おそらく弁理士試験に限らず試験勉強に使用している人も多いはず。機械っぽさもあまりなく、はっきりと読み上げてくれます。漢字も読めます。たまに変な読み方をします。
例えば 先願→さきねがい
でも予想がつくので問題ありませんし、よほど気になる人は漢字の読み方を登録することもできます。また素晴らしいことに早く読ませることもできますし、結構早く読ませてもはっきりと聞き取れます。ただしこのソフトちょっと古いので、今買うならば以下のソフトのほうが良いと思います。

資格試験の暗記に使う場合どれも、機能性に違いはありませんので声の好みで選びましょう。ソフトはパソコンにインストールすると使用することができます。青本はWEBで閲覧可能ですが、テキストとしてコピーできます。これをソフトにペーストして音声データmp3に変換します。一瞬で変換できます。そしてこのmp3をスマホで聞きます。私は青本に書いてある趣旨で、よく間違えるものや覚えられないものを選んで聞いていました。青本以外にも条文や判例も同様にWEB上にテキストデータがありますので音声化できます。
活用してライバルに差をつけましょう。

以上