弁理士試験合格 会社の反応について

2022年1月31日

少々昔の話ですが弁理士試験合格したことを会社に報告した時の話をしたいと思います。
・弁理士試験に合格したけど会社に報告していない方
・将来どのように報告したらよい心配な方
は参考にしていただけたら幸いです。

弁理士試験合格 会社の反応について

私は、技術開発所をしているのですが弁理士試験を受け続けて合格しました。そして私が合格したことを会社に報告したのは、口述試験の合格発表の後でした。直属の上司に報告をしました。

女性の意見が聞こえないふりをする上司

その上司からは「おめでとう、すごいね」と言ってもらうことができました。その後、部門長にも報告をし「おめでとう」といってもらいました。
しかしみんな口を揃えて言ったのは「なんでその資格をとったの?」という言葉。
私は、開発の仕事を続けるつもりだったので、素直に「開発に生かせると思ったからです。」と答えました。
そしてその時に弁理士を名乗ったり、活動するには弁理士登録が必要でそのためには会費を支払わなくてはならないことと、その費用を会社で負担してもらえないかを聞きましたが残念ながらそれはできないという回答でした。これは当時の私には衝撃でした。
会社初の弁理士が登場して、新しいことをやるチャンスなのになぜ???って思いました。

会社と資格について

資格を取得してまだ間もない私ですが、会社における資格について思うところを述べさせてもらいます。
会社では、この資格を取ってほしいと言われて合格した場合は、その資格のレベルが低かろうと合格率が95%以上であろうが高く評価してもらえますしお金も出してもらえます。
しかし、頼んでもいないのに勝手に資格を取った人に対しては、たとえその資格が難関資格でも評価するわけにはいかないし、むしろどう対処してよいのかわからないのでしょう。
ある意味、当然のことだと思います。
私のために会社が仕事を用意するわけはなく、会社のために私がいるという関係ですから。
特許事務所やよほど知財に力をいれている会社でない限り「よし、弁理士を取ったならこの仕事をやってもらおう」とはならないのです。
むしろ世の中的には弁理士??それはなにをする仕事??っていう人のほうが多いのです。そこは視野を広く持つべきなのかぁと。
「資格があるのでこんなことできますよ」っていうことをこちらが提案していかないといけない立場です。

企業で弁理士資格をどのように活かすのか

上の体験談は、弁理士資格をとることが会社員にとって無意味と言っているわけではありません。
開発部の私の場合、資格を持っていることで得られる具体的なメリットを説明するのが難しかっただけです。
知財部だったら知識の証明になりますし弁理士とのやり取りもしやすくなります。
そういったメリットを提案せずに、資格とったから給料を上げてくれとか、ポジションを与えてくれというのはちょっと違うのかなぁと思っているだけです。
確かに資格をとるまでにたくさんの時間とお金を使い、さらに弁理士登録したことで実質的な年収は大幅ダウンしました。納得いかない気持ちを正直あります。

しかし弁理士資格を持っているということは少なくとも行政である特許庁がその人の法律的家として知識と理解を一定のレベル以上と認めたわけです。開発部に所属する私にとってもこれはとても大きなことだと思います。
実務と資格試験には乖離があるとは言いますが、やはり発言には威力がでます。知財系の仕事はしやすくなると思います。(ただ逆にプレッシャーも味わうことになると思います。こんなこともわからないのか、こんな間違いをするのかと思われてしまうと資格自体のレベルを疑われてしまいかねないので。)
そういった有資格者だからこそこんな仕事(もちろん会社に有用な新しい試み)をやりたいです。やれます。といったアイデアをアピールし、なんとかやらせてもらって成功させるしかないのかなって思います。
自分はまだそういったアイデアが完成していないので、動いていないですけど。

それと、会社以外にコミュニティができたのはとてもありがたいことです。
開発の仕事をしていると、基本的に外の会社の人と飲むことって学会でも入っていない限りほとんどありません。また多くの場合、研究内容は秘密ですから仕事の話も外に人とはできません。
弁理士資格を取ったことで、外の人とつながることができました。
苦労して取得した資格ということで対等な関係というか、利害のない関係です。
違う企業の方や、特許事務所の方々と話をすることで単純に楽しいですし、いろいろな考えにふれることができます。まさにプライスレスですね。

調査

Posted by kisaragia