特許の独特な表現ランキング(明細書の意味を理解するのは難しい…)

2022年1月29日

私は新入社員の頃、特許を読むのがとても苦手でした。

調べごとをする女性


というのも内容が難しいだけでなく、見慣れない独特な日本語が使われているからです。
専門用語は明細書中に説明がありますが、ここでいう 独特な日本語 は皆が知っている前提で普通に使われています。
こういった独特な日本語 で 構造や形状を特定したり、特性を表現しているので初心者は特許イコール難しいという印象を持ってしまうのかもしれません。

【関連記事】超初心者技術者向け特許公報の読み方(特許は難しくて読みにくい)

辞書で調べると意味が出てくるものもあれば、辞書に載っている説明ではなんだか釈然としないものもあります。また読み方がわからず、調べるのも煩わしいものもあります。

 難しい言葉だらけで1つの明細書を読むのにすごく時間がかったぁ
 こんな仕事できないと思ったよ。

とはいえ特許を定期的に読んで、その分野の技術水準を把握しておくことは開発者にとって非常に重要なこと。
それにすでに他社が研究してきたことを一から研究してもそれは経営資源の無駄遣いにも他ならず、他社の先行技術をうまく利用しつつ、新しい技術を開発することが開発者のミッションであります。
難しいからと言って特許を読むことから逃げていてはいけません。

さて特許を読んでいて独特だなと思う表現ランキングを作ってみました。


第7位
「展延」(てんえん) …薄く広げのばすこと

 

(例) 金属を展延する。

  それぞれの漢字の意味から、意味は想像できます。ただあんまり日常の使用しないですね。

 


第6位
「方形」(ほうけい) …四角形(特に正方形)

 

(例) 方形の開口部、方形波

  四角形と書いてくれればイメージし易いのに…って思います。しかも意味もあいまいな気がします。広辞苑には特に正方形と書いてありますが、長方形が含まれるのか、斜方形が含まれるのか?明確でありません。

 

第5位
「好適」(こうてき) …ふさわしい

 

(例) 好適に用いることができる。

  意味は想像できますが、普段あんまり使わない言葉ですね。しかし特許の世界では非常に頻繁に出てきます。

 


第4位
「把持」(はじ)…手にとらえ持つこと。しっかりつかむこと。

 

(例) 把持部、ワークを把持する

  読めないから、意味を調べるときに苦労しました。保持でええやないかと思います。

 


第3位
「可撓性」(かとうせい) …フレキシブル性

 

(例) 可撓性を有する基板

  特許以外でこの言葉をきいたことがありません。字面からも当初は意味が想像つきませんでした。。

 

第2位
「当該」(とうがい) …その

 

(例)当該基板を用いて

  非常に頻繁にできてきます。当該…当該……と繰り返し使われます。前に出てきた言葉を特定しているのですが日常的には使用されない言葉ですよね。最近は上記とか前記という表現が多い気がします。

 


第1位
「略」(りゃく) …おおよそ

 

例)略直角

  上記の例だと、直角と表現してしまうとわずかに傾いたときに範囲に含まれなくなるのでこの言葉を付けてぼやかしていることが多いです。この言葉、辞書でもでてこなかったので最初はなんのことかわかりませんでした。

 

いかがだったでしょうか?
また気になる表現がたまってきたら第二弾をやろうと思います。

調査

Posted by kisaragia