令和4年 弁理士試験の最終合格発表の分析

2023年5月5日

令和4年 弁理士試験 終了

11/10に弁理士試験の最終合格発表がありました。
合格された方はおめでとうございます。
令和4年の最終合格者の人数は193人でした。
特許庁のHPによると志願者数は3558人なので合格率は6.1%でした。

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合格率の推移

令和4年の合格率は6.1%で昨年と同じ数字でした。6.1%というとかなりの難関資格ですね。
過去には9.7%まで上昇した年があったので近年、難しくなっている傾向があります。今後も6~10%の間で推移するのでしょう。

 合格率の母数は、志願者なんですか?

 志願者ではありません。受験者です。

上の表の受験者とは、実際に試験会場に行った人を指します。なので願書を出したけど何らかの理由で試験を受けなかった人は受験者に含まれず、その結果合格率の計算にも含まれません。
私の感覚では、志願している時点で受験会場に来なくても戦いにエントリーしているので合格率に入れたほうがわかりやすいように思えます。
ちなみに志願者数ベースで合格率を出すと次のようになります。

当然ですが、受験者数よりも多い志願者数で合格者数を割るのでさらに合格率が下がります。合格率は低いですが、ガンガン合格させて仕事がない状態よりもよっぽど良いと思います。

受験率について

趣旨とずれますが上の表で受験率を見てみると令和3年は受験率が84.2%と低かったことがわかります。
令和3年といえば弁理士試験の志願者が初めて増えた記念すべき年です。
志願する人は増えたけれども、実際に受験しなかった人も多かったのですね。
今年(令和4年)は残念ながら志願者数は300人ほど減ってしまいましたが、受験者数は-70人くらいでそれほど減っていません。

大学別の合格率ランキング

令和4年の弁理士試験はどの大学出身の受験生が受かりやすかったのでしょうか?

これから弁理士試験を受験しようと思っているけど、自分の学力で合格できるのかな?

こんな方は参考にしていただけるとよろしいかと思います。

まだ特許庁からの最終合格者統計が出ていませんので、論文合格者数で分析してみました。近年口述試験で落ちることはまれなのでほぼほぼ正確な数値になると思います。

母数が小さいので信憑性が微妙ですが大学別の合格率は、ダークホース関西大学が1位でした。
続いて国立神戸大学が2位です。

西が強い。。。

上位14大学が平均合格率よりも高い合格率でした。
例年なら上位の慶応義塾大学や早稲田大学が平均よりも合格率が低い結果になっています。この結果からも荒れた年だったのかもしれません。

今年の傾向について

合格者の受験回数が低い

令和4年は合格者の平均受験回数が3.4回と近年で最も小さい数字になりました。
つまり短期合格者多かったということになります。逆に言うとベテラン受験生には厳しい年だったのですね。

 志願者の受験回数が少なかった可能性もあるよね?

確かにそうですね。志願者の受験回数も見てみましょう。

今年の志願者の平均受験回数は4.14なので令和3年の4.04よりも上がっていますね。
今年は志願者の平均受験回数が上がったのに合格者の平均受験回数が下がったことがわかります。
ということは、やはり受験回数が少ない受験生が有利だったことになります。


この表からもう一つわかることとして、志願者の平均受験回数よりも合格者の平均受験回数のほうが常に小さいことです。ふつうなら受験回数が多いベテラン受験生が多く合格して志願者の平均よりも合格者の平均が高くなりそうですが、弁理士試験ではそうはなりません。ベテランになると受かりにくいのです。
毎年ベテラン受験生が受かりにくいのですが、その中でも受かりやすい年と受かりにくい年があります。
直近5年間の志願者の受験回数と合格者の受験回数の差を示したグラフが下になります。

Wの形になってます!

そうですね。傾向としては受験回数が多いベテランが受かりやすい年と受かりにくい年が交互にきてWの文字になっていますね。今年は特にこの傾向が顕著に表れたことになります。

合格者の年齢が低い

上の表を見ると、志願者の平均年齢は42歳くらいで毎年同じです。
一方で合格者の平均年齢は令和4年が最も若く35.1%になっています。
例年の傾向として志願者の平均年齢に対して、合格者の平均年齢が低い結果になっています。
これは弁理士試験は若いほうが受かりやすいことになります。記憶力の強さや長時間勉強する体力、仕事の負担の軽さの点で若い人が有利なのでしょう。
ただ私の知っている人で60代70代で合格された方もいるのであくまでも傾向ととらえていただければと思います。

まとめ

令和4年 弁理士試験

 令和4年の弁理士試験最終合格率は6.1%

 合格率=合格者数÷受験者数で志願者数ではない

 受験者数とは、実際に試験会場に行った人数

 受験率(志願者のうち受験した人の率)は昨年は低かったが今年は例年通りに戻った。

 大学別の合格率では関西大学が1位だった

 今年の合格者は過去の受験回数が少なく、若い人が多かった

調査

Posted by kisaragia