令和3年は激減!?弁理士試験を諦める人は何人いるのか?

本日は弁理士試験についてです。
弁理士試験は難関資格試験ですので簡単に合格できる試験ではありません。
繰り返し受験しても受からずに時間が過ぎてしまうこともあるでしょう。
それでも最後に合格できればいいんですが、あきらめる人もいるのが事実です。
そこで、諦める人はどれくらいいるのかを調べてみました。

・弁理士試験受験を考えている
・試験を諦めるか悩んでいる
・一度諦めたけどまた受けたい
こんな方に読んでいただけたら幸いです。

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計算の方法

計算は次のように行っています。
特許庁の発表している「弁理士試験統計」のデータを基に計算しました。
令和3年を例に説明します。令和3年の試験の志願者は3859人です。
このうち1067人は初受験です。
つまり3859人-1067人=2792人が2回以上受験していることになります。
そして前年に不合格だった人は3114名なのでこの数から2792人を引いてあげれば諦めた人数が計算できます。
※この計算では前々年の試験を受けたけど、前年の試験は受けなかったといった場合はカウントされませんので多少のズレは発生します。私の経験では、このようなケースは少なく数としてはあまりいないと思います。

ズバリ諦める人の数

ズバリ 2012年から2021年の弁理士試験で諦める人数を表にしてみました。

諦めた人数の表

数字ばかりで見ずらいですが諦める人の数は年々減っていることがわかります。

次のグラフは2012年から2021年の弁理士試験における前年の不合格者数と受験を諦めた人の数の推移です。

諦める人の人数のグラフ

全ての年度で共通してあることに気づくと思います。

諦める人がほとんどいない。。。

そうです。パッと見てもわかる通りほとんどの人が再受験しています。
落ちてしまった人の内、約80%の人が再受験をしているのです。
そして年度ごとに見ていくと前年度の試験で不合格だった人の数が減っています。これは単純に受験生が減っているからだと思ってください。
近年諦めた人の数は年々減っていますが、弁理士試験の受験者数自体が減っていますので、どちらかというと割合が気になります。

諦めた人の割合

そこで 諦めた人の割合を計算してみました。

諦めた人の割合のグラフ


上の表を見てください。過去10年間で諦める人は15~25%で推移していることがわかります。
上述しましたが75~85%の人が再受験するというすごい割合です。
ただここで、一つおかしな点があります。

2021年(令和3年 )は、極端に少ないっす。

そうです、2021年(令和3年)に関しては極端に諦めた人の割合が減少しています。なんと9%です。つまり91%の人が再受験したことになります。
※2021年(令和3年) ということは2020年(令和2年)の試験を受けた人のうち2021年(令和3年)の試験で諦めた人のことを指しています。
2021年 (令和3年) と いえば、久しぶりに弁理士試験の志願者が前年よりも多くなった年です。諦める人が少なかったこともこれに起因していると思います。

この数字はどういうことなのか

上記の調査で、諦める人の数と割合が少ないことがわかりました。また近年はさらに諦める人が少なくなる傾向があります。これはどういうことなのでしょうか。

一度足を踏み入れたら、引き返せない

私の経験でもありますがこの試験は長期化しても受験をやめることができません。理屈では、資格試験なのでいつでもやめることができるのですが、そのような気持ちにならないのです。
軽い気持ちで受験を開始して運良く短答試験に合格したがその後に苦労した私はわかります。そしてこれは私だけの経験ではなく周りにもそういう人がたくさんいました。
ギャンブルしたときこれだけ費やしたんだからここで降りる訳にはいかないと思うことがありますがこれにも近い気持ちです。

魅力的な資格なのではないか

普通、必要のない資格を苦労して時間をかけて取得しようと思いません。
これだけの人が、リピートして受験するということは魅力のある資格と考えてよいのではないでしょうか?
山は高いほど登った時の感動が大きいと言いますが、ある意味これにも近いと思います。
逆に難関資格として認識されなくなったら、諦める人が増加すると思います。

受験時代は意外と楽しい

受験が、辛くつまらないものであれば、諦める人数は多いと思います。
これだけ、諦める人の数が少ないということは受験勉強自体が面白いと考えられます。
知的財産の仕組みはうまくできていて勉強していて面白いです。
短答で細かい条文の要件や期間を覚えているときはきついですが、合格して論文試験の勉強に集中できるようになると論文を書くことの面白さに気づくと思います。
特に、事例問題は与えられた設定に対して依頼を受けたかのような気持ちで解くことができ、勉強が苦労に思えません。

社会人が受ける試験の傾向なのかもしれない

弁理士試験を受けている人の大半が社会人です。当然ですが社会人は独立していますしお金を稼いでいます。
このために不合格でもダメ―ジがあまりありません。不合格でも年収がダウンしませんし、飯にも困ることはありません。このために諦める必要がないのです。

まとめ

弁理士試験を諦める人について

 諦めた人の人数と割合を計算してみた。

 ここ10年間は15~25%の人が諦める傾向にある。

 令和3年は9%と異例の少なさであった。

 一度挑戦すると諦めにくい資格である。

 勉強自体は楽しく、資格にも魅力をがある。

 

調査

Posted by kisaragia