どんな人が弁理士試験に受かりやすい?最終合格者統計から解析した。

2022年2月4日

1月24日に令和3年の最終合格者統計が発表されていました。
経産省では、非常に細かくデータを取って我々国民に公表してくれます。
これによって、試験の透明性や公平性が保たれています。
それでは令和3年の弁理士試験を振り返ってみたいと思います。

どんな人が受かりやすいのか?を知りたい
弁理士を目指したいけど自分バックグランドで受かるか不安
弁理士試験を分析したい

こんな方はぜひ最後まで読んでください。

【関連記事】令和3年弁理士試験 論文式筆記試験大学別の合格率ランキング

合格者数(弁理士合格者はどんな人が多いのか?)

合格者数については特許庁のホームページで公表されていますのでそちらを参考にしてください。

合格者統計:令和3年度弁理士試験最終合格者統計

合格率については後段で解析、説明します。

男女別

合格者の33.2%が女性でした。
6年前(H28)は20%に満たなかったのですが女性の割合は近年すごく増えているようです。
個人的にも弁理士は、在宅ワークをしやすい、自分のペースで仕事ができる、力が要らない といったところから女性に適した仕事だと思います。
蛇足ですが私のようなメーカーの技術職だと本当にその逆で在宅は皆無、自分のペースで仕事はできませんし、大きな装置を取り扱うために力がいるので女性には厳しいです。

年代別

合格者の年代は30代が最も多く全体の43.7%でした。
20代と40代が同じ人数でどちらも全体の23.1%でした。
10代、70代以上の合格者はいませんでした。
合格者の平均年齢は36.9歳で、ここまで年齢層が高い試験も珍しいのではないでしょうか。
私もこれくらいの年齢で合格しました。仲間の受験生も大体これくらいの年齢の人が多かったような気がします。中にはかなり高齢の人(70歳以上)も1人いましたが無事合格しました。

職業別

合格者の中で最も多いのは会社員で48.7%でした。
続いて特許事務所で27.1%になっています。
例年通りの傾向です。ただ割合としてはどちらも昨年よりも若干減っています。
逆に増えているのは公務員、学生、自営、無職でした。

大学別

合格者が多いのは東京大学、京都大学、大阪大学でした。
この三大学で全体の24%を占めることになります。
ちなみに旧帝国大学の割合でいうと34%で3人に1人は旧帝大卒ということになります。

 旧帝国大学ってなに


昔日本全国の年に7つの大学を帝国大学として配置していたそうです。今の東京大学、京都大学、大阪大学、名古屋大学、東北大学、北海道大学、九州大学です。その時の帝国大学の名残りでこの7つの大学を旧帝国大学と呼びます。
私大では早稲田大学の合格者多かったようです。

合格率 (弁理士にはどんな人が受かりやすいのか?)

さてここまでは特許庁の発表したデータそのものでしたがここからが本題です。
特許庁の発表した合格者統計データを基に試験を解析していきます。

男女別

以下に男女の合格率を表した表を示します。

男女の合格率の表

男女で合格率を比較すると女性の方が圧倒的に合格率が高いです。これは例年の傾向で毎年男性よりも2%程度女性の合格率が高くなっています。ただ今年は特にその傾向が顕著に現れています。男性よりも女性の方が合格率が+2.8%です。
近年、高校受験でも女子の合格点が男子よりもだいぶ高いことが話題になりましたが、弁理士試験でも女性陣の方が成績が良いことになります。しかしもちろん弁理士試験は男性女性の枠を設けていないので不公平はありません。

年代別

以下に年代別の合格率を表した表を示します。

年代別合格率

30代の合格率が7.9%で最も合格しやすい結果になっています。
志願者も30代が最も多いので30代の合格者数が全体の43.7%を占めています。
20代よりも30代の合格率がここまで高いのは意外でした。
ちなみに昨年は20代と30代の合格率は12.3%と12.5%でほとんど同じでした。
30代を中心に20代、40代といった感じで山型に裾に広がっていきます。
50代になると結構厳しい合格率になるようです。

職業別

以下に職業別の合格率を表した表を示します。

職業別合格率

公務員が最も合格率が高い結果になりました。これは特許庁勤務の方が受けているからだと推察できます。
5年以上特許庁で審査官等に従事するとほとんど試験科目が免除されるからです。
続いて、特許事務所の合格率が高いです。特許事務所といえばまさに仕事で直接弁理士資格を必要としている人たちです。そういった本気度からも合格率が高いのでしょう。
会社員は意外に合格率が低いようです。推察するに、記念受験的な人が多いのかもしれません。
特許事務所であれば全体の合格率よりもちょっと受かりやすく、会社員であればちょっと受かりにくい傾向です。無職、その他はさらに合格率が低くなっています。この結果からも仕事を辞めて弁理士試験を受ける必要性はあまりないと言えるでしょう。

大学別

以下に大学別の合格率を表した表を示します。

大学別合格率

※志願者が50名以上の大学に絞ってランキングを作成しています。

今年は九州大学が合格率が最も高かったようです。昨年は低めだったのでその反動もあったと思われます。
その後に大阪大学、東京大学、京都大学といった例年の上位集団が食い込んできます。
特に大阪大学は昨年、今年連続して東大、京大よりも高い合格率を維持しています。
今年合格率が顕著にUPしたのは日本大学でした。
昨年は1.9%でしたが今年は7.5%と大幅アップしています。
今年は全体の合格率が9.7%から6.1%とかなり下がったので、ほとんどの大学で昨年よりも合格率が低くなっているのですが日本大学は逆の動きをしています。

弁理士試験の概要、全体像についてもっと知りたい方は超有名講師が書いたこちらがおすすめです。

まとめ

さていかがだったでしょうか?あくまでも傾向を調べただけですが弁理士試験を受けようと考えている方は参考にしていただけると幸いです。
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弁理士試験に受かりやすい人

 女性は男性より受かりやすい。

 年代では30代が最も受かりやすい。

 特許事務所の方が会社員よりやや受かりやすい。

 大阪大学、東京大学、京都大学卒の人は受かりやすい。

 

 

調査

Posted by kisaragia