令和3年弁理士試験 論文式筆記試験大学別の合格率ランキング
令和3年弁理士試験 論文の統計
年も明け令和4年になりました。
正月に箱根駅伝を見ていたのですが大学同士の戦いっていいですよね。
卒業してだいぶ経っていますが自分の母校を応援したくなってしまいます。
年明け早々の1/5に特許庁のホームページにて、論文式筆記試験の統計が発表されました。
【関連記事】令和3年 弁理士試験最終合格発表がありました。官報への掲載はいつ?
論文式筆記試験の統計には、論文試験の受験者数、合格者数を年代、性別、居住地、出身大学ごとに集計されています。
・弁理士試験受験を考えている方
・弁理士という職業がどのようなものかを知りたい方
・弁理士受験生
このような方々は、参考にすると良いと思います。
どのような人が受験して、どのような人が合格しやすいのかを知っておくことは、受験にチャレンジするか決断をする上で役に立つかと思います。
論文試験の大学別の合格率について
論文式筆記試験の統計には 、受験者数と合格者数が記載されていますが、合格率は記載されていません。
そこで令和3年の大学別論文試験の合格率ランキングを作成しました。
※実際には、選択試験もありますがこのランキングは必須試験の受験者数のみを使って計算しています。
※受験者数が10名以上の大学に絞ってランキングを作成しています。
受験者数
まず論文試験の受験者数で気になるのは、東大、京大の受験生が圧倒的に多いことです。
論文の受験者の 6.6% は東大、6.8%は京大となっています。
この2校は試験自体の志願者も多く、東大が5.9%で、京大が4.5%です。
合格者数
合格者の数は例年の通り、東大、京大、阪大が上位を占めています。
合格者数がダントツで多かったのは東大と京大で、論文合格者の9.9%は東大、8.5%は京大です。
つまり論文合格者全体の2割弱は東大もしくは京大卒ということになります。
合格率
令和3年の論文試験で一番合格率が高かったのは九州大学で47.4%でした。
全体での論文試験の合格率が25.1%なのでこれを大きく上回っています。
私立では慶應義塾大学と東京理科大学が上位に食い込んでいます。
過去3年の論文試験の合格率平均について
ところで論文試験を受験しているということは、今年の短答試験を突破している、あるいは1年前2年前の短答試験を突破しているということです。
つまり受験者の中にはすでに数年間論文の勉強している人もいれば、今年初めて受験する人もいます。
単純に受験者数といってもその中身は様々で、母数も少ないのであまり大学ごとの傾向はつかめないかもしれません。そこで過去3年間の大学別論文試験の合格率ランキングを作成しました。
最も合格率が高いのは、大阪大学でした。
論文の合格率が25%前後で推移しているのに対して3年間の平均で38%とかなり上をいっています。
全体的に言えるのは国立強し。ベスト10のなかでも1位から3位まで、5位から8位までが国立です。
私立大学では、慶応義塾大学が健闘しています。
論文試験(必須科目)は、弁理士試験の最難関ステージ
弁理士試験は①短答②論文(必須科目)③論文(選択科目)④口述の4つのステージから成っています。
そして論文 (必須科目) 試験は、この中でも最も重要で
弁理士試験= 論文 (必須科目) 試験 といってもおかしくないと思います。
論文試験では法律の知識が求められるのは当然ですが、それを理由を含めて論理的に説明する能力が求められます。
ここが短答試験と違うところで理系大学出身の私が苦労した点でもありました。
逆にそういった能力が高い人は、早期合格が狙えるかもしれません。
私が見てきた中では法学部出身者は論文試験の合格が早い印象があります。
自己満足の答案を書くのではなく、客観的に見て合格答案を作成する必要があります。
一番手っ取り早い(というか必須)のが、予備校の答案練習会に参加することです。
私は初心者のころ、 答案練習会 というのがどのようなものかわかっておらず、複数人で答案を書いて発表して回すものと思っていました。初心者が参加するとみんなに迷惑がかかるとか、みんなにバカにされると思っていました。
実際は答案練習会は単に教室に行って論文の答案を書いて解説講義を聞き、1週間後に答案の採点(添削)を受けて復習するというものです。完全に受動的なものですので初心者にも安心です。
なぜ大学ごとの受験者数や合格者数が集計できるのか
なぜ弁理士試験では大学ごとの受験者数や合格者数が集計できるのでしょうか?
他の資格試験では大学ごとの合格者数を集計して公表する試験があまりありません。
弁理士試験の願書には出身大学名を記載する欄があります。
弁理士試験は学歴不問で受けられる試験なのでなぜ大学名を記載しなくてはならないのだろうかと不思議に思っていました。今思えば、こういったデータを集計するために大学名を記載させていたのです。
ただこれについては、本当のことを書いている保証はありません。
卒業証明書等を出すわけではないのでもし嘘を書いてもばれないからです。
但し、ほとんどの受験生が本当のことを書いていると思います。
嘘を書いても全くメリットはありませんし、論文試験なんかは何が理由で落とされたかがわかりにくい試験なので変な要素を増やしたくないというのが当時の心境でした。
大学の他にも勤務先を記載する欄があって、これは当時私の頭を悩ませました。
私は、会社に内緒で受験していたのであまり勤務先を書きたくなかったのです。
書いたところで、それが公開されたり会社に連絡がくることはないとわかっていましたが、少なくとも数人の職員の目には触れますし、なんとなく嫌だったのです。
まとめ
令和3年の論文試験合格率は九州大学が1位であった。
直近3年の論文試験合格率は大阪大学が1位であった。
論文試験合格率は国立大学が高い傾向にある。
論文試験では説明力が重要。
試験の統計は願書の記載をベースに集計されている。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません