短答試験合格の作戦 (タイムマネージメントなど)

2022年1月29日

短答試験まで1週間をきっていますね。受験される方は、最後の追い込みをかけているところでしょう。最初の関門です。短答試験に合格しないと、次の論文試験を受けることができません。つまり来年またチャレンジすることになってしまいます。逆に短答試験に合格すれば、翌年、翌々年は短答試験を受けずに論文試験を受験することができます。これはとても価値ある切符です。今年万が一論文試験に失敗してしまっても、来年までは論文の勉強に集中することができます。

短答試験の作戦を説明している先生のイラスト

短答試験の問題数

短答試験は問題が60問あります。法律の問題を休憩なしで60問解き続けるのは結構大変です。
試験時間は3.5時間(210分)です。※正確な試験情報は特許庁で入手しましょう。

60問を3.5時間で解くので1問を平均3.5分で解かなくてはなりません。頭は疲れてきますし、集中力は低下してきます。
1問は5つの枝から成り立っています。
例えばイロハニホの5つの枝のうちで正しいものはどれか?とか正しいものはいくつあるか? など
つまり結局は300枝(300問)の文章を読んでそれが正しいのか間違っているのかを判断しなくてはなりません。時間にして1枝を42秒でとかなくてなりません。そう考えると結構あっという間ですよね。
私自身、60問300枝というのはなかなか時間的にも厳しかった思い出があります。
しかし実際の模試会場では途中退出する人もいたりして、すごいなと思っていました。

短答試験の時間的戦略

上にも記載しましたが、私は初心者のころ時間的にも集中力的にも3時間半ですべての問題を解くのは厳しかったです。そこでなんとか確実に全部の問題を解くための作戦を考えました。
その時に出した作戦が次のものになります。

   確実に正解の枝が分かったときは、その他の枝は読まない。

この作戦は「いくつあるか問題」では使えませんが、「正しいもの(誤っているもの)を答えよ問題」で使えます。
普通は、 「正しいもの(誤っているもの)を答えよ問題」 でも5つある枝をすべて検討して答えを出すのが鉄則です。これは答えの枝がわかってもうっかりミスの可能性があるのですべての枝を検討して最終的にその枝が正しいことを確認するためです。
但し最初に絶対にこの枝だと思った枝で、何度も読んでやっぱりその枝と思う場合は、他の枝を読まずしてもうっかりミスになる可能性は低いと思います。さっさと結論を出して時間的な余裕をゲットした方が他の難問に時間を使えるので精神的にも楽になります。
特に私の場合そうでした。時間的に余裕がないと焦ってしまう性格なので。。。
結果的に時間が余れば、しるしをつけておいて最後にその問題を確認できるのでリスクはとっても小さいです。

短答試験の科目的な戦略

短答試験の問題数は60問ですが、その60問は明確に科目が分かれています。
60問のうちそれぞれの科目が何問出題されるかは次のように決まっています。

科目問題数足きり点
特許法、実用新案法 208点未満
意匠法 10 4点未満
商標法 10 4点未満
著作権法、不正競争防止法 10 4点未満
条約 10 4点未満
合計60

特許法、実用新案法、意匠法、商標法の4つをメジャー科目と言ったりします。
著作権法、不正競争防止法、条約をマイナー科目とか下三法とか言ったりします。

合格基準点は39点ですがそれぞれの科目に足切り点が設定されているため、ある程度均等に点数を取らないと合格できません。このためムラなく勉強して対策する必要があります。


とはいってもメジャー科目のほうが勉強に時間がかかります。
なぜかというとこれらの科目は問題が難しいからです。
条文の隅から隅まで暗記、理解しておかないと十分な点数は取れないと考えたほうが良いと思います。
ちょっと話が脇道にズレますが、「メジャー科目は8割取らないと論文に合格するには厳しい」と予備校などでよく言われてます。メジャー科目については、論文試験もあるからです。短答試験で問われるような条文に関する知識を深く理解しておかないとそのあとの論文試験で通用しないのです。


メジャー科目が重要だからといってメージャー科目に集中してマイナー科目をやらなすぎるのは絶対にやめたほうが良いです。(昔はこの作戦でも合格できましたが足きり制度が導入されてからはリスクが高すぎる作戦です。)実際に合格基準点を超える高得点を出していながらここで足切りを食らった人を何人か知っています。
もうひとつの注意点として

  条約の勉強に時間を使いすぎないこと

条約は本気でやろうとすると、とんでもなく時間がかかります。
どこが重要で出やすいのかを分析して勉強することをお勧めします。
条約の勉強法についてはこちら

下三法ってどこまで勉強すればいいの?


というわけで皆様が短答試験で実力を発揮できることを願っています。

まとめ

短答試験合格の作戦

 短答試験の問題数は60問、枝にすると300問。

 時間配分に注意する。

 確実に正解の枝が分かったときは、その他の枝は読まないのも手。

 足きりは実際にある下三法を甘く見ない。

 条約に時間を使いすぎない。

 

小ワザ

Posted by kisaragia