弁理士試験を受けていることを会社に伝えるべきか?

2023年5月5日

本日は弁理士試験を受けていることを会社に伝えるべきか?について考えていきたいと思います。
私自身、受験時代に非常に悩んだ問題です。

こんな方は参考にしていただけると幸いです。
これから弁理士試験受験を考えている人
内緒で受験しているけど気持ち的にそろそろ限界な人
内緒で受験しているけどバレたかもって思っている人

結果的に私の場合は、結局合格まで会社関係者には誰にも言わなかったです。合格するまで隠し通しました。
この選択は間違っていなかったと思っています。
ただこれについては人それぞれ状況が違うと思うので、内緒にすることがすべての人にとそれぞれのハッピーな結果かどうかはわかりません。
なのでメリットとデメリットをあげて考えてみたいと思います。

【関連記事】企業の開発職と事務所勤務弁理士どちらがよいか考えてみた。

弁理士受験生の職業

まず前提として弁理士試験はどのような人が受けているのでしょうか?
弁理士試験の受験者はほとんどが会社員です。
平成30年の志願者統計でみても

1位 会社員    50.3%
2位 特許事務所  23.8%
3位 無職     10.7%

となっていて受験者の半数以上が会社員です。
会社員にとって問題になるのが、弁理士試験を受験していることを上司や同僚に伝えるか否かです。
人によって状況が違うので一概には言えないのですが私の意見としてを言うと、伝えるべきではないと思います。
その理由について、伝えた場合のメリットとデメリットをそれぞれ挙げながら考えていきたいと思います。

弁理士試験を受けていることを会社に伝えるメリット

気持ちが楽

何事も隠し事をすることは、心が痛みます。こそこそするのは気持ちが良いものではありません。試験を受けていると周りに伝えることで気分が楽になります。
私の体験談ですが予備校近くでばったり会社の人と遭遇したこともありました。すぐに隠れましたが見られたかなぁとか考えたり、こそこそするのが本当に嫌でした。

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会社で勉強しやすい

上でも説明した通り弁理士受験生の約半分が会社員です。会社員ということは月から金まで最低8時間仕事をしているので勉強時間が限られています。このため如何に隙間時間を見つけて勉強するから合否の鍵となります。試験を受けていることを会社に伝えることで休み時間に堂々と勉強することができます。
昼休みに勉強したかったのですが、職場の人にバレるのが怖くておおぴらには勉強できませんでした。このためばれないようにイヤホンで聞いたり、スマホの小さな画面で条文を読んだりしていました。
私の受験仲間でも特許事務所に勤めている人は、休み時間に会議室に受験生が集まって勉強していると言っている方もいてすごくうらやましく思っていました。
たかが1日20~30分程度ですが、法律の勉強は毎日こつこつやることが大事なので、この点ではメリットがあります。

飲み会などは断りやすい

試験を受けていることを周りに伝えていれば、先輩や上司も気を使って飲みに誘ってこないでしょう。これは特に試験の直前期には大きなメリットになると思います。私の場合は、会社に伝えていなかったので直前期にも関わらず飲み会が普通にありました。
しかも、送別会やプロジェクトの決起集会などのオフィシャルな飲み会だと、事前に行ける日のアンケートを取り全員が参加できる日でセッティングされてしまうので行かないという選択肢がありません。
当日体調が悪いからといって断ることもできると思いますが幹事のことを考えると気が引けます。そもそも自分が幹事の時だってあります。私の場合お酒を飲んでしまうとその日は勉強はできないので結構なロスになります。
私の出した結論は飲み会にはいくけど、体調が悪くて薬を飲んでいるからソフトドリンクしか飲めないという言い訳をする方法。飲み会の日は、仕事も早く切りあがるので1次会で帰れば普段残業して帰っている時間には帰れます。ソフトドリンクなら帰ってからも勉強ができるからあまりロスがないのです。

 胃腸壊して薬を飲んでいるので、ジンジャエールでお願いします!

弁理士試験を受けていることを会社に伝えるデメリット

転職を疑われる(可能性がある)

最近は会社員で弁理士の資格を持っている人もたくさんいて、弁理士としての法律的な知識を仕事に役立てていると思います。しかし、やはり弁理士は事務所に勤めて明細書を作る仕事と思っている人も多いと思います。また現に私の同期でも多くの人が合格後大手企業から事務所に転職しています。事務所以外にも合格をきっかけに他の企業に転職した事例も私の周りでもたくさんあります。「合格したら転職するの?」なんて質問をされるかもしれませんし、転職が当たり前になった今でも幹部職員になるための研修や昇格試験などはやめそうな人よりも長く勤めてくれそうな人を優先的に受けさせるという考えの上司もいると思います。
この問題の一番厄介なところは、不利な扱いを受けたときに、このことが原因かどうかわからないことです。もやもやするくらいなら職場には伝えずに胸の中にしまっておいた方がリスクは小さいです。

 転職なんて考えてないっす。弁理士?なんすか、それ??

後輩に慕われなくなる(可能性がある)

上の転職を疑われた場合の二次的なデメリットです。
転職が盛んにおこなわれる業界ではこのリスクは少ないと思いますが、メーカーなどの終身雇用タイプの企業ではあり得ます。
特に技術職の場合どんな先輩につくかはその後のサラリーマン人生に大きな影響を及ぼします。開発などチームで仕事する業務ではチーム間でも競争があったりして自分のチームの先輩をサポートしてチームとしての成果を上げていきその先輩が出世した時には自分も上にあげもらうという構図がどうしてもあると思います。
せっかく先輩の仕事をサポートしてきたのにその先輩が弁理士に転職して辞めてしまったら守ってくれる先輩がいなくなってしまい会社での立場が危うくなります。
やめるとかいっている先輩につきたい後輩なんていないと思います。後輩が陰で上司に先輩を変えてほしいなんて相談をするかもしれません。
こういった意味で試験を受けていることを伝えることはデメリットになります。
ただ、これについては人間と人間なのでよい人間関係が気づけていれば、受かっても辞めるつもりはないということ示すことは可能だと思います。

合否を聞かれる

聞き込み調査するスーツの女性

試験が終わって合格発表があった後は、結果どうだった?と聞かれたり、もしくは聞かないように気を使っている空気がひしひしと伝わってくる場合もあると思います。
またあまりにも何年も受からないと会社の人に陰で噂される可能性もあります。
完全燃焼したのに結果がでなかったときは本当にほっといてほしいと思うでしょう。受けたことのない人にあーだこーだ言われるのも嫌だし、受かった人に言われるのはもっと嫌です。

 〇〇さん今年もダメだったらしいよ(ヒソヒソ)。


会社に伝えていなければ、合格発表の日も日常のままで生活できます。職場の人は、その日が合格発表であることさえ知らずにふるまってきます。
私の場合、落ちてしまったときは、逆に誰かに話を聞いてほしくてゼミの仲間に電話したくらいでした。

まとめ

以上のようにわずかながらメリットもありますが、デメリットのほうが多いと私は思います。
特に上にも書きましたが弁理試験を受けていることによって不利な扱いを受けたのではないかとモヤモヤ考えることが一番デメリットだと思います。
結局会社は、会社の売上や利益を上げるために集まっているチームなのでそれ以外の目的のことを言う必要はないと思っています。
隠し事をしていると思うと罪悪感があると思いますが、はっきりいって休日や仕事の後の時間を使って勉強しているのでプライベートな問題です。なにも心を痛める必要はありません。

 孤独も含めて、受験という名の試練なのです。

その他

Posted by kisaragia