弁理士試験 本当の意味での合格率
弁理士試験の本当の意味での合格率について
平成30年度弁理士試験
平成30年度の論文試験が終わり、受験された方はいったん勉強から解放されて結果を待っている時期ですね。今年は何人くらいの人が論文を通過するか気になるところだと思います。
昨年度 平成29年度においては、229人が論文試験に合格しています。
いろいろな免除制度
ところで弁理士試験にはいくつかの免除制度があります。
選択科目免除
選択科目免除は、最もポピュラーな免除制度で、修士号を取得していたり、一定の資格を保有していることで受けることができます。
選択科目は、専門分野ですので法律科目と毛色が違います。また弁理士試験の専門試験は情報が少ないので対策に苦労します。なのでこの免除があると法律の試験に専念でき気分的に楽です。
私も毎回免除申請してこの制度を利用していました。
ただ今考えると最後の一年だけ申請すれば良くて、論文試験が不合格だった前半は別に申請しなくてもよかったことになります。
証明書が必要なので大学院の教授のところに行って、証明書を作ってもらいました。
メーカーの研究職で就職した私が弁理士試験を受けることで教授がどう思ったかは知りませんが、特になにも詮索されませんでした。
短答試験免除
短答試験免除もメジャーな免除制度の一つです。
弁理士試験の短答式試験に合格すると論文試験に落ちてしまっても、翌年、翌々年の短答試験が免除されます。
短答に合格すると得点の印刷された合格証が送られてきますのでそれのコピーを出願時に提出することで適用されます。
私はこちらの免除も利用しました。
短答と論文では聞かれる問題が違うので、短答が免除だと論文の勉強に専念できます。
ただ若干デメリットもあって、注意しないと短答の知識(条文力)落ちてきてしまいます。
稀に論文で、細かい手続きを問われることがありますので免除になっても条文をよむ癖を忘れないようにしましょう。
工業所有権法免除
ほとんど知られていないのが工業所有権法免除です。
特許庁で審判又は審査の事務に5年以上従事した人が対象になります。
短答試験では著作権法と不正競争防止法のみを受験し、論文の必須科目の受験はないためほぼ合格します。
平成29年度はこのルートで5名の方が合格しています。
筆記試験免除
前年度の論文試験を通過したけれど口述試験で落ちてしまった人で短答免除が残っている場合は筆記試験免除になります。願書を出して、口述試験だけ受ける人です。
口述試験の合格率が98.4%であったことから出願した時点で合格がほぼ確定していた人達ということができると思います。平成29年度は21名の方が合格しています。
本当の意味での合格率
一般的なルートで短答→論文→口述と合格して進んできた受験生と工業所有権法免除の方は同じ試験を受験しているとは言い難いです。
また筆記試験免除の方も出願と同時に合格しているようなものです。
一般ルートの受験生が合格という名の椅子を取り合うという意味では、これらの方々の人数を差し引いて椅子の数をカウントしたほうが実際にどれくらい過酷な試験なのかをイメージできるでしょう。
これらの受験生を差し引くと一般ルートの合格者数は合格者255名ー5名ー21名=229名
一般ルートの志願者数は
志願者数4352名ー工業所有権法免除者17名-筆記試験免除者21名=4314名
志願者ベースの合格率は229名÷4314名×100
5.3%(差し引きなしの合格率 5.9%)
一般ルートの受験者数は
受験者数3923名ー工業所有権法免除者17名-筆記試験免除者21名=3885名
志願者ベースの合格率は229名÷3885名
5.9%(差し引きなしの合格率 6.5%)となります。
厳しい試験が、より厳しい合格率になりますが、これくらい厳しいことを数字で知っておいた方が良いと思います。1000人受けて950人近く落ちてしまう試験なのです。
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